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父を焼く 上野英信と筑豊

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☆店長のひと言
「“焼く”って、物質を消すと同時に記憶に焼き付けるって意味もあったり。」

内容紹介
1950~60年代.北九州筑豊の地で谷川雁・森崎和江らと共に「サークル村」で活動し,その後,記録作家として多くの名著を遺した上野英信(1923-87).その一人息子である著者が,英信と彼を支えた母・晴子の思い出,筑豊の風土とそこに住む人々を描く珠玉のエッセイ集.英信の葬儀の様子を語る表題作など27篇を収録.

■著者からのメッセージ
 ちょうど十年前の旧著のあとがきに「この本でまとめたできごとは,筑豊文庫という大きな鍋の底に残った水ごはんのようなもの」と私は書いている.水ごはんとは,炊飯釜を水に浸してはがし取ることのできるごはん粒で,幼いころの私の好物だった.その後十年間水につけっぱなしにしていた鍋をかきまわしてみたら再び米粒が顔を出した,というのが本書に収めた二十七篇である.鍋底のそのまた底なので,これはもう「おこげ」で苦いだけかもしれないとは思うが,歯の丈夫な人に噛んでみていただけたら幸いである.
 またこのところ「サークル村」をはじめとして,一九五〇年から六〇年代の文学運動や労働運動に関心を寄せる三十代前後の人々と出会う機会が増えた.いずれの人も深く文献や資料の森に踏み込んで研究分析,また新たな調査や聞き取りもされており,筑豊文庫に暮らしながら馬鹿話ばかり拾い集めていた私などとても及ぶところではない.できることといえばせめて地の利を活かし,鍋底をひっくり返してお目にかけることぐらいであるが,焦げた飯粒がいくらかなりと,記録作家上野英信像の味付けや肉付けになれば嬉しいと思う.
(本書「夢のあとがき」より)

Ⅰ 父母との日々
  八月の花
  鎮めの机
  母の味味噌汁―筑豊文庫のお品書き
  鬼ヶ坂挽歌
  いっちょさせたら
  『ひとくわぼり』復刻のころ
  みち
  ノムリエ
  ノムリエ,もう一杯
  父を焼く
  さよなら,父母の日々

Ⅱ ボタ山の地で
  ヤマの匠のビフォー・アフター
  消えない輝点
  硫安のステージ
  やんでぬー
  トンチャン
  ぬらりひょん
  消えてゆくもの
  ファインダーの向こうに
  名残のつるべ
  高飛車,頭を垂れて
  江戸に吼える
  マドレーヌばあちゃんの靴下
  日食連想
  三番鉢のごんぞうは
  枯れすすきの幸せ
  私にまつわる出生の秘密

夢のあとがき

著者プロフィール
上野 朱(うえの あかし)
1956年福岡市生まれ.1964年父上野英信が「筑豊文庫」を創設するのに伴われて鞍手に移り,廃坑集落で育つ.高校卒業後洋菓子職人を目指して東京で就職するが,1年半で挫折して筑豊へ戻り,以後製麺業,内装業などを転々とする.96年筑豊文庫を閉鎖,解体.現在は宗像市で古書店を経営.著書に『蕨の家 上野英信と晴子』(海鳥社).
(岩波書店HPより抜粋)

ISBN 978-4-00-023864-9 四六判 208頁
発行 岩波書店
書店発売日 2010年8月27日

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