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あえのがたり
¥2,200
☆店長のひと言 「買うことであなたもこの本のページに宿るのだよ。」 内容紹介 2024年元日、能登半島を襲った大地震によって多くの人が傷つけられました。 残念ながら、小説を読むだけでは暖を取ることも、おなかを満たすこともできません。 ですが、いつか、魂を励まし、心に寄り添える力が物語には宿っていると信じています。 さて、奥能登地域の農家では、古くから稲作を守る“田の神様”を祀り、感謝をささげる「あえのこと」という儀礼が行われてきました。 「あえ=おもてなし」、「こと=祭り」をあらわします。 物語によるおもてなし「あえのがたり」のために集まったのは、今、もっとも新作を待たれている10人の小説家。 10人の作家による、1万字のおもてなし。 ぜひご堪能ください。 著者プロフィール 加藤 シゲアキ (カトウ シゲアキ) (著/文) 1987年、大阪府出身。青山学院大学法学部卒業。2012年『ピンクとグレー』で作家デビュー。2021年『オルタネート』で第42回吉川英治文学新人賞、第8回高校生直木賞を受賞。2024年『なれのはて』で第170回直木賞候補。「NEWS」のメンバーとして活躍しながら作家としても精力的な活動を続けており、評価を高めている。他の著書に『閃光スクランブル』『Burn.バーン』『傘をもたない蟻たちは』『チュベローズで待ってるAGE22・AGE32』(全2冊)、エッセイ集などに『できることならスティードで』『1と0と加藤シゲアキ』がある。 今村 翔吾 (イマムラ ショウゴ) (著/文) 1984年、京都府生まれ。2017年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー。2020年『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞を受賞。同年『じんかん』で第11回山田風太郎賞を受賞。2021年「羽州ぼろ鳶組」シリーズで第6回吉川英治文庫賞を受賞。2022年『塞王の楯』で第166回直木賞を受賞。他の著作に、「イクサガミ」シリーズ、『童の神』『てらこや青義堂 師匠、走る』『幸村を討て』『蹴れ、彦五郎』『茜唄』(上・下)『五葉のまつり』などがある。 小川 哲 (オガワ サトシ) (著/文) 1986年生まれ、千葉県出身。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。2015年「ユートロニカのこちら側」が第3回ハヤカワSFコンテストで〈大賞〉を受賞しデビュー。2017年『ゲームの王国』で第38回日本SF大賞、第31回山本周五郎賞を受賞。2022年刊行の『地図と拳』で第13回山田風太郎賞、第168回直木三十五賞を受賞。同年刊行の『君のクイズ』は第76回日本推理作家協会賞〈長編および連作短編集部門〉を受賞。他の著作に『嘘と正典』『スメラミシング』などがある。 佐藤 究 (サトウ キワム) (著/文) 1977年、福岡県生まれ。2004年、佐藤憲胤名義で書いた『サージウスの死神』が第47回群像新人文学賞優秀作となりデビュー。2016年『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞を受賞。『Ank: a mirroring ape』で第20回大藪春彦賞、第39回吉川英治文学新人賞を受賞。2021年『テスカトリポカ』で第34回山本周五郎賞、第165回直木賞を受賞。2024年『幽玄F』で第37回柴田錬三郎賞を受賞。他の著書に『爆発物処理班の遭遇したスピン』『トライロバレット』など。 朝井 リョウ (アサイ リョウ) (著/文) 1989年、岐阜県生まれ。2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2013年『何者』で第148回直木賞を受賞。2014年『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞を受賞。2021年『正欲』で第34回柴田錬三郎賞を受賞。他の著作に『スペードの3』『世にも奇妙な君物語』『スター』などがある。最新作は『生殖記』。 柚木 麻子 (ユズキ アサコ) (著/文) 1981年、東京都生まれ。2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞し、2010年に同作を含む『終点のあの子』でデビュー。2015年『ナイルパーチの女子会』で第28回山本周五郎賞を受賞。2016年同作で第3回高校生直木賞を受賞。他の著作に「ランチのアッコちゃん」シリーズ、『伊藤くんA to E』『らんたん』『ついでにジェントルメン』『あいにくあんたのためじゃない』など。『BUTTER』が英語圏で大ヒットするなど、世界からの注目も集めている。 荒木 あかね (アラキ アカネ) (著/文) 1998年、福岡県生まれ。九州大学文学部卒業。2022年『此の世の果ての殺人』で第68回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。本格ミステリの確かな技法に加え、心理に深く分け入った人間ドラマを描くことから「Z世代のアガサ・クリスティー」と呼ばれている。他の著作に『ちぎれた鎖と光の切れ端』がある。 今村 昌弘 (イマムラ マサヒロ) (著/文) 1985年、長崎県生まれ。岡山大学卒。2017年『屍人荘の殺人』で第27回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。同作はその年のミステリランキングを席巻し、映画化、コミカライズもされた。その後、『魔眼の匣の殺人』『兇人邸の殺人』『明智恭介の奔走』とシリーズを刊行。2021年、テレビドラマ『ネメシス』に脚本協力として参加。他の著作に『でぃすぺる』がある。 蝉谷 めぐ実 (セミタニ メグミ) (著/文) 1992年、大阪府生まれ。早稲田大学文学部演劇映像コース専攻卒業。2020年、「化け者心中」で第11回小説野性時代新人賞を受賞しデビュー。2021年『化け者心中』で第10回日本歴史時代作家協会賞(新人賞)、第27回中山義秀文学賞を受賞。2022年『おんなの女房』で第10回野村胡堂文学賞を受賞。2023年同作で第44回吉川英治文学新人賞を受賞。2024年、『万両役者の扇』で第15回山田風太郎賞を受賞。他、アンソロジーなどに短編を発表している。 麻布競馬場 (アザブケイバジョウ) (著/文) 1991年生まれ。慶應義塾大学卒業。2021年からTwitterに投稿していた小説が「タワマン文学」として話題になる。2022年、ショートストーリー集『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』でデビュー。2024年、『令和元年の人生ゲーム』が第171回直木賞候補に。 ISBN:978-4-06-537876-2 Cコード:0093 四六変型判224ページ 発行: 講談社 発売日: 2025年1月22日
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あさいち
¥1,100
☆店長のひと言 「震災後、“出張輪島朝市”として続けられておられます。https://s-wajima-asaichi.com/」 紹介 朝市は、海でとれたもの、畑でとれたものを持ちよる商いの場。そこには潮のかおりと土のにおいがたちこめていて、人びとにとって楽しいおしゃべりと社交の場でもあります。石川県「輪島朝市」の活気ある風景を描いた、1980年刊行の本作品。令和6年能登半島地震で大きな被害を受けた被災地の、一日も早い復興への願いを込めて復刊します。本作品の利益は、能登半島地震災害義援金として、日本赤十字社に寄付いたします。 https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=7570 著者プロフィール 大石可久也 (オオイシカクヤ) (イラスト) 1924年、兵庫県に生まれる。兵庫師範学校を卒業後、小学校教師をしながら洋画を勉強し、展覧会やコンクールで受賞多数。40歳で退職して作家活動に入り、北国の風物を描いた数々の絵画作品を手がけた。絵本に『ほっけりょう』(「かがくのとも」1982年2月号)など。2018年没。 輪島・朝市の人びと (ワジマアサイチノヒトビト) (著/文) ISBN:978-4-8340-0266-9 Cコード:8763 26cm×24cm 28ページ 発行: 株式会社 福音館書店 初版年月日: 1984年4月2日
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別れを告げない
¥2,750
☆店長のひと言 「最近思うんですよ、苦労は本当に人を成長させるのだろうか、と…。」 紹介 作家のキョンハは、虐殺に関する小説を執筆中に、何かを暗示するような悪夢を見るようになる。ドキュメンタリー映画作家だった友人のインソンに相談し、短編映画の制作を約束した。 済州島出身のインソンは10代の頃、毎晩悪夢にうなされる母の姿に憎しみを募らせたが、済州島4・3事件を生き延びた事実を母から聞き、憎しみは消えていった。後にインソンは島を出て働くが、認知症が進む母の介護のため島に戻り、看病の末に看取った。キョンハと映画制作の約束をしたのは葬儀の時だ。それから4年が過ぎても制作は進まず、私生活では家族や職を失い、遺書も書いていたキョンハのもとへ、インソンから「すぐ来て」とメールが届く。病院で激痛に耐えて治療を受けていたインソンはキョンハに、済州島の家に行って鳥を助けてと頼む。大雪の中、辿りついた家に幻のように現れたインソン。キョンハは彼女が4年間ここで何をしていたかを知る。インソンの母が命ある限り追い求めた真実への情熱も…… いま生きる力を取り戻そうとする女性同士が、歴史に埋もれた人々の激烈な記憶と痛みを受け止め、未来へつなぐ再生の物語。フランスのメディシス賞、エミール・ギメ アジア文学賞受賞作。 著者プロフィール ハン・ガン (ハン ガン) (著/文) Han Kang 한강 1970年、韓国・光州生まれ。延世大学国文学科卒業。2005年、三つの中篇小説をまとめた『菜食主義者』で韓国最高峰の文学賞である李箱文学賞を受賞、同作で16年にアジア人初の国際ブッカー賞を受賞。17年、『少年が来る』でイタリアのマラパルテ賞を受賞、23年、『別れを告げない』(本書)でフランスのメディシス賞(外国小説部門)を韓国人として初めて受賞し、24年にフランスのエミール・ギメ・アジア文学賞を受賞した。本書は世界22か国で翻訳刊行が決定している。他の邦訳作品に、『ギリシャ語の時間』『すべての、白いものたちの』『回復する人間』『そっと 静かに』『引き出しに夕方をしまっておいた』がある。 斎藤 真理子 (サイトウ マリコ) (翻訳) 翻訳家。パク・ミンギュ『カステラ』(共訳)で第一回日本翻訳大賞、チョ・ナムジュ他『ヒョンナムオッパへ』で〈韓国文学翻訳院〉翻訳大賞受賞。訳書は他に、ハン・ガン『回復する人間』『すべての白いものたちの』『ギリシャ語の時間』『引き出しに夕方をしまっておいた』(共訳)、パク・ソルメ『もう死んでいる十二人の女たちと』『未来散歩練習』、ペ・スア『遠きにありて、ウルは遅れるだろう』、パク・ミンギュ『ピンポン』、チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』、ファン・ジョンウン『誰でもない』『年年歳歳』『ディディの傘』、チョン・イヒョン『優しい暴力の時代』、チョン・ミョングァン『鯨』、チョン・セラン『フィフティ・ピープル』『保健室のアン・ウニョン先生』『声をあげます』『シソンから、』、チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』『サハマンション』、李箱『翼 李箱作品集』など。著書『韓国文学の中心にあるもの』、『本の栞にぶら下がる』、『曇る眼鏡を拭きながら』(共著) ISBN:978-4-560-09091-6 Cコード:0097 四六判304ページ 発行: 白水社 書店発売日: 2024年4月2日
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迷いのない人生なんて
¥1,144
☆店長のひと言 「若い頃の自分に言いたい。迷わない大人はけっこう危ない。」 紹介 共同通信の好評連載「迷い道」を書籍化。家族との葛藤、仕事の失敗、病気の苦悩、親しい人との別れ、挫折……。私たちの身近にいるごく普通の人々が様々な生きづらさと向き合い、回り道の人生を歩んできた姿を描く。迷いを抱えながら生きる人への共感とエールを込めた一冊。 目次 はじめに ◎ あさのあつこさんに聞く 回り道だらけの半生 1 向き合う、問い続ける 1 母さんに何も期待しない 尾﨑瑠南(作業療法士) 2 求め続けた女性の声 工藤理江(ボイストレーナー) 3 生きていてもいいかな 木田塔子(看護師) 4 飼育員であり続けたい 盛田勝寛(水族館飼育員) 5 捨てられそうになった子 福江悦子(彫刻家) 6 許されてここにいる 沼田和也(牧師) 7 熱くて意味ある空間を 柳田尚久(轍学舎塾長) 8 母でも私のままで 栗並えみ(働く母親) 9 あなたのことが怖かった 荻野善弘(カレー店店主) 10 母の病「神なんていない」 坂根真実(宗教2世) 11 沖縄に向き合う「右翼」 中村之菊(右翼活動家) 12 反発と執着、引き合う心 伊東優(建築士) 13 一緒に前を向けなかった 斎藤無冥(僧侶) 2 見つめる、伝える 14 絵に導かれ外の世界へ 三上真穂(大学院生) 15 「あれはドラマですから」 加藤浩美(写真家) 16 もう記者は続けられない 浮田圭一郎(高校教師) 17 あなたの分身じゃない 中嶋悠紀子(演劇家) 18 可能性なんてなかった 松田修(現代美術家) 19 私に何ができるのか 高橋美香(パレスチナ取材の写真家) 20 神の愛、伝え続ける 花田憲彦(牧師) 21 放水指示、指揮官の宿命 新井雄治(元東京消防庁消防総監) 22 すぐ逃げ帰ると思っていた 川村久恵(アイヌ記念館副館長) 23 心の奥、拾ってくれた 千葉広和(国賠償請求訴訟の原告) 24 これは僕の投げ方じゃない 水尾嘉孝(野球部コーチ) 25 贖罪の思い胸に反戦運動 山里節子(反戦運動家) 26 資本主義への挑戦敗れ 田中克治(元印刷会社社長) 27 母の葛藤、寄り添い祈る 菊池文子(語り部の被爆者) 3 踏み出す、歩む 28 やっと自由になれる 野島さえ(鍼灸師、トレーナー) 29 暗闇から、春の日だまり 吉田千寿子(東日本大震災被災者) 30 共に生きる未来が見えない 大内紀彦(特別支援学校教員) 31 わが子の思いに近づきたい 浅井道子(那須雪崩事故遺族) 32 おまえの努力が足りない 白木浩一郎(老舗旅館元経営者) 33 気丈な妻、記憶喪失に 山本秀勝(手品師) 34 確率という言葉が憎かった 大津一貴(元プロサッカー選手) 35 さいころ一から振り直し 奥川拓二(会社社長) 36 苦悩抱きしめ、共に歩む 八尾敬子(就労継続支援施設長) 37 避難の経験、そっと横に 高橋恵子(原発避難住民) 38 生きる意味、取り戻して 山下泰三(元会社員) 4 つながる、つなぐ 39 息苦しさ、乗り越えて 中野民夫(元博報堂社員) 40 つながりながら縛らない 内田加奈(作業療法士) 41 きっと加害者になっていた 中島坊童(不登校、引きこもり支援者) 42 いないよ、ここに 立花泰彦(ミュージシャン) 43 しゃべるのは苦手だけれど 伊神敬人(看護師) 44 この社会が正解なのか 森哲也(書店店主) 45 遺族に悼まれ死者になる 殿平善彦(僧侶) 46 深い孤独と性自認の揺れ 倉田めば(元薬物依存症患者) 47 虐待なんてあり得ない 菅家英昭(会社員) 著者プロフィール 共同通信社 (キョウドウツウシンシャ) (著/文) 一般社団法人共同通信社は、全国各地の新聞社や放送局、海外メディアなどに記事、写真、映像を配信している通信社。1945年に創立。東京に本社を置き、全国に支社局、海外主要都市に総支局がある。 ISBN:978-4-00-500985-5 Cコード:0236 新書判260ページ 発行:岩波書店 初版年月日: 2024年5月17日
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80歳、まだ走れる
¥2,860
☆店長のひと言 「マスターズには夢がある。誰ですか、自分はマヨネーズでいいなんて言ってるのは。」 内容紹介 老いを甘んじて受け入れる必要はない ランニングに打ち込んできた著者は、人生の半ばで絶望に打ちひしがれていた。怪我に悩まされ、体力とスピードの衰えに意気消沈し、走ることを諦めようと思ったとき、高齢者スポーツの驚くべき世界に出会う。そして、マスターズ世界陸上で人生を変える体験をすることになる。本書は絶望から希望へと向かう一人の男性の非常に個人的な記録であると同時に、ライフスタイルとトレーニングを調整することで生理学的な衰えの進行を遅らせることができること、そして人間の精神力によって高齢になっても楽しく健康的に走り続けられることを証明した画期的なガイドブックでもある。 スポーツの楽しさが年齢によって失われていると感じているすべての人への希望のメッセージ。 著者プロフィール リチャード・アスクウィズ (著/文) 英国の著名なランニング作家・ジャーナリストの一人。受賞歴多数。 栗木 さつき (クリキ サツキ) (翻訳) 翻訳家。慶應義塾大学経済学部卒。50歳で初めてフルマラソンを完走、マイペースでマラソンを続けている。訳書にブラッチュリー『運を味方にする「偶然」の科学』(東洋経済新報社)、キャロル『パレットジャーナル』(ダイヤモンド社)、シネック『WHYから始めよ!インスパイア型リーダーはここが違う』(日本経済新聞出版)、シュミル『Numbers Don’t Lie』(共訳)、フォックス『SWITCHCRAFT 切り替える力』(以上、NHK出版)など。 ISBN:978-4-7917-7677-1 Cコード:0075 四六判406ページ 発行: 青土社 発売日: 2024年9月27日
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幻肢痛日記
¥2,090
☆店長のひと言 「大切なものほど失ってから気付くのと似ていると言えないでしょうか。」 内容紹介 切断した筈なのに、足のあった場所が痛む。「ない」のに「痛い」とはどういうことだろう? 右足を失った「僕」が経験した不思議な現象、幻肢痛から考えた、わからないものについての記録。 (河出書房新社ホームページより引用) https://bookandbeer.com/event/bb241118a/ 著者プロフィール 青木 彬 (アオキ アキラ) (著/文) 1989年生。キュレーター。首都大学東京インダストリアルアートコース卒。アートを「よりよく生きるための術」と捉えアーティストや企業等と協同しアートプロジェクトを企画。著書に『素が出るワークショップ』。 ISBN:978-4-309-23162-4 Cコード:0036 四六判200ページ 発行: 河出書房新社 初版年月日: 2024年10月25日
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夜明けを待つ
¥1,980
紹介 生と死を見つめ続けてきたノンフィクション作家の原点がここに! 私たちは10年という長い年月を、とことん「死」に向き合って生きてきた。 しかし、その果てにつかみとったのは、「死」の実相ではない。 そこに見えたのは、ただ「生きていくこと」の意味だ。 親は死してまで、子に大切なことを教えてくれる。 (第1章「『死』が教えてくれること」より) 家族、病、看取り、移民、宗教……。 小さき声に寄り添うことで、大きなものが見えてくる。 『エンジェルフライト』『紙つなげ!』『エンド・オブ・ライフ』『ボーダー』……。 読む者の心を揺さぶる数々のノンフィクションの原点は、 佐々涼子の人生そのものにあった。 ここ10年に書き溜めてきたエッセイとルポルタージュから厳選! 著者初の作品集。 (目次より抜粋) 第1章 エッセイ 「死」が教えてくれること 夜明けのタクシー 体はぜんぶ知っている 今宵は空の旅を 命は形を変えて この世の通路 幸福への意思 もう待たなくていい ダイエット ハノイの女たち 未来は未定 夜明けを待つ 痛みの戒め 柿の色 ひろちゃん 和製フォレスト・ガンプ 誰にもわからない トンネルの中 スーツケース 梅酒 ばあばの手作り餃子 縁は異なもの 第2章 ルポルタージュ ダブルリミテッド1 サバイバル・ジャパニーズ ダブルリミテッド2 看取りのことば ダブルリミテッド3 移動する子どもたち ダブルリミテッド4 言葉は単なる道具ではない 会えない旅 禅はひとつ先の未来を予言するか 悟らない オウム以外の人々 遅効性のくすり 佐々涼子(ささ りょうこ) ノンフィクション作家。1968年生まれ。神奈川県出身。早稲田大学法学部卒。日本語教師を経てフリーライターに。2012年、『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』(集英社)で第10回開高健ノンフィクション賞を受賞。2014年に上梓した『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場』(早川書房)は、紀伊國屋書店キノベス!第1位、ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR第1位、新風賞特別賞などに、2020年の『エンド・オブ・ライフ』(集英社インターナショナル)は、Yahoo!ニュース|本屋大賞2020年 ノンフィクション本大賞に輝いた。他の著書に『ボーダー 移民と難民』(集英社インターナショナル)など。 2024年9月、悪性脳腫瘍のため横浜市戸塚区の自宅で死去。56歳没 ISBN:978-4-7976-7438-5 Cコード:0095 四六判 272ページ 発行: 集英社インターナショナル 発売日: 2023年11月24日
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辺境のラッパーたち ~立ち上がる「声の民族誌」~
¥3,520
☆店長のひとラップ HEY YO, 魂抜かれたヒップホップ HEN-KYO de rap survive 他人(ひと)のせいにすんなリスナー 声なき声ひろえ Listen Now! 紹介 ラッパーのことばに耳をすませば、世界のリアルが見えてくる。 戦火が絶えないガザやウクライナで、弾圧が続くチベットやイランで、格差にあえぐモンゴルやインドで、海の端の日本で――。アメリカで生まれたヒップホップ文化、なかでもラップミュージックは世界に広がり、「辺境」に生きる者たちは声なき声をリリックに託す。現代社会の歪みを鮮やかに映し出す、世界各地のラッパーたちの声を幅広い執筆陣が紹介する。ラッパー、ダースレイダー、ハンガー(GAGLE)のインタビューも収録。 http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3935 著者 [編者]島村一平(しまむら・いっぺい) 国立民族学博物館人類文明誌研究部教授。文化人類学・モンゴル研究専攻。博士(文学)。早稲田大学法学部卒業後、テレビ番組制作会社に就職。取材で訪れたモンゴルに魅せられ制作会社を退社、モンゴルへ留学する。モンゴル国立大学大学院修士課程修了(民族学専攻)。日本に帰国後、総合研究大学院大学博士後期課程に入学。同大学院を単位取得退学後、国立民族学博物館講師(研究機関研究員)、滋賀県立大学人間文化学部准教授等を経て現職。著書に『憑依と抵抗——現代モンゴルにおける宗教とナショナリズム』(晶文社)、『ヒップホップ・モンゴリア——韻がつむぐ人類学』(青土社)、『増殖するシャーマン——モンゴル・ブリヤートのシャーマニズムとエスニシティ』(春風社)など多数。 (青土社ホームページより) ISBN:978-4-7917-7654-2 Cコード:0039 四六判544ページ 発行: 青土社 発売日: 2024年6月26日
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正岡子規スケッチ帖
¥924
☆店長のひと言 「病床にあって自己を保ち、且つ創造的でいられる人がこの世にどれだけいようか。」 紹介 「写生は多くモルヒネを飲みて後やる者と思へ」。子規の絵は味わいある描きぶりの奥に気魄が宿る。子規にとって絵を描くことは病床の慰めや楽しみ以上の、生きるよすがであった。最晩年の三か月に描き、『果物帖』『草花帖』『玩具帖』と題してまとめられた画帖をオールカラーで収録。漱石、鼠骨ら、子規の絵をめぐる文章を併載する。 目次 第一部 子規のスケッチ帖 『菓物帖』 『草花帖』 『玩具帖』 第二部 子規の絵画観 「明治二十九年の俳句界」より 画 『病牀六尺』より 明治三十五年八月六日条 八月九日条 八月二十三日条 八月二十四日条 第三部 子規の絵をめぐって 寒川鼠骨「子規居士の絵――「菓物帖と草花帖」」 寒川鼠骨「解説と回顧」 下村為山「子規氏の絵」 夏目漱石「子規の画」 解題 『玩具帖』について(平岡瑛二) 編者解説(復本一郎) 著者プロフィール 正岡 子規(マサオカ シキ) (著/文) 説明不要ですよね? 復本 一郎 (フクモト イチロウ) (著/文) 1943年、愛媛県宇和島市に生まれる。横浜市で育つ。早稲田大学第一文学部文学科国文学専修卒業。同大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程単位取得満期退学。福岡教育大学、静岡女子大学、静岡大学を経て、神奈川大学経営学部教授。現在、神奈川大学名誉教授。文学博士。『芭蕉における「さび」の構造』で窪田空穂賞受賞。また、俳句分野の功績に対して第9回横浜文学賞を受賞。『俳句と川柳』(講談社学術文庫)、『俳句とエロス』(講談社現代新書)『芭蕉歳時記』(講談社選書メチエ)、『芭蕉俳句16のキーワード』(NHKブックス)、『江戸俳句夜話』(NHKライブラリー)など著書多数。 ISBN:978-4-00-360047-4 Cコード:0171 204ページ 発行:岩波書店 初版年月日: 2024年5月15日
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あらゆることは今起こる (シリーズケアをひらく)
¥2,200
☆店長のひと言 「事実は小説よりも木なり。」 紹介 眠い、疲れる、固まる、話が飛ぶ、カビを培養する。それは脳が励ましの歌を歌ってくれないから?――ADHDと診断された小説家は、薬を飲むと「36年ぶりに目が覚めた」。私は私の身体しか体験できない。にしても自分の内側でいったい何が起こっているのか。「ある場所の過去と今。誰かの記憶と経験。出来事をめぐる複数からの視点。それは私の小説そのもの」と語る著者の日常生活やいかに。SFじゃない並行世界報告! 著者プロフィール 柴崎友香(しばさき・ともか) 1973年、大阪府生まれ、東京都在住。大阪府立大学卒業。1999年「レッド、イエロー、オレンジ、オレンジ、ブルー」が文藝別冊に掲載されデビュー。2007年『その街の今は』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞、咲くやこの花賞を受賞。2010年『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞、2014年『春の庭』で芥川賞を受賞。その他に『パノララ』『千の扉』『百年と一日』ほか、エッセイに『よう知らんけど日記』など、著書多数。 ISBN:978-4-260-05694-6 Cコード:3347 A5判304ページ 発行:医学書院 書店発売日: 2024年5月13日
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子どもたちへ、今こそ伝える戦争
¥1,000
【中古 状態きれい】 (参考:定価1,800円+税) ☆店長のひと言 「子どもは戦争に対して受け身でいるしかないということを改めて思い知らされます。」 紹介 この本は、子どもから子どもへのメッセージです。 戦争を日常とした当時の子どもたちから、現代の子どもたちへ、その暮らしと思いが19人それぞれの視点で描かれています。 日々子どもに伝える仕事をしている作家たちによる自分自身の話は、戦争の話をはじめて読むお子さんにも伝わりやすいことでしょう。 小学生のお子さんたちは、ご家族に戦争体験者がいない人が多いと思います。 ぜひご家族でもお読みください。巻末には用語解説、地図、年表などを載せました。 ひとりずつのお話は短く、イラストも入り、読み進めやすくなっています。 戦争の体験は、子どもの本の作家19人のその後の人生に大きな影響を与え、強く生きていく動機になり、表現する仕事を選ばせたと感じます。 子どもの生きる力の素晴らしさ、そして、子どもの心に刻まれる戦争の痕跡の大きさをさまざな視点から伝える1冊です。 著者……長 新太、和歌山 静子、那須 正幹、長野 ヒデ子、おぼ まこと、 立原 えりか、田島 征三、山下 明生、いわむら かずお、三木 卓、 間所 ひさこ、今江 祥智、杉浦 範茂、那須田 稔、井上 洋介、 森山 京、かこ さとし、岡野 薫子、田畑 精一(敬称略) 解説……柳田邦男(ノンフィクション作家) *すべてかき下ろし(長 新太さんを除く) *すべての漢字にふりがなつき *小学3年生から ISBN:978-4-06-219626-0 Cコード:8036 A5判178ページ 発行: 講談社 発売日: 2015年7月17日
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「能力」の生きづらさをほぐす
¥1,980
【中古 カバー、帯にスレあり(画像参照)】 (参考:定価2,000円+税) ☆店長のひと言 「女子力、人間力、免疫力、長州力…、いろいろ言われても疲れちゃうよね。」 紹介 【発売たちまち重版!】 生きる力、リーダーシップ力、コミュ力… ◯◯力が、私たちを苦しめる。 組織の専門家が命をかけて探究した、他者と生きる知恵。 前職では「使えない」私が、現職では「優秀」に。 それって、本当に私の「能力」なの? 移ろいがちな他人の評価が、生きづらさを生み出す能力社会。 ガン闘病中の著者が、そのカラクリを教育社会学と組織開発の視点でときほぐし、 他者とより良く生きるあり方を模索する。 目次 はじめに プロローグ 母さん、僕は仕事のできない、能力のないやつですか? 第1話 能力の乱高下 第2話 能力の化けの皮剝がし―教育社会学ことはじめ 第3話 不穏な「求める能力」―尖るのを止めた大学 第4話 能力の泥沼―誰も知らない本当の私 第5話 求ム、能力屋さん―人材開発業界の価値 第6話 爆売れ・リーダーシップ―「能力」が売れるカラクリ① 第7話 止まらぬ進化と深化―「能力」が売れるカラクリ② 第8話 問題はあなたのメンタル―能力開発の行き着く先 第9話 葛藤をなくさない―母から子へ エピローグ 母さん、ふつうでない私は幸せになれますか? 伴走者からの言葉 磯野真穂 おわりに 著者プロフィール 勅使川原 真衣 (テシガワラ マイ) (著) てしがわら・まい:1982年横浜生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。BCG、ヘイ グループなど外資コンサルティングファーム勤務を経て独立。2017年に組織開発を専門とする、おのみず株式会社を設立し、企業はもちろん、病院、学校などの組織開発を支援する。二児の母。2020年から乳ガン闘病中。 磯野 真穂 (イソノ マホ) (執筆伴走) いその・まほ:人類学者。専門は文化人類学、医療人類学。2010年早稲田大学文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。早稲田大学文化構想学部助教、国際医療福祉大学大学院准教授を経て2020年より独立。 著書に『なぜふつうに食べられないのか-―拒食と過食の文化人類学』(春秋社)、『医療者が語る答えなき世界――「いのちの守り人」の人類学』(ちくま新書)、『ダイエット幻想――やせること、愛されること』(ちくまプリマ―新書)、『他者と生きる』(集英社新書)、共著に『急に具合が悪くなる』(晶文社)がある。本作では、著者の執筆に伴走し、言葉を寄せる。 訂正のお知らせ: 初版第1刷p105の5行目に訂正がございました。以下を修正いたします。 ×社会教育学者 → ○教育社会学者 ISBN:978-4-910534-02-2 Cコード:0095 四六判264ページ 発行: どく社 初版年月日: 2022年12月25日
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いのちの花、希望のうた
¥1,350
【中古 状態きれい】 (参考:定価1,700円+税) ☆店長のひと言 「病気や障害を抱えた人の言葉は時に暴力性を帯びることもあるけれど、花はいつも花。」 (以下「ナナロク社」ホームページより) 初詩集『点滴ポール 生き抜くという旗印』刊行後、糸井重里、谷川俊太郎、末井昭各氏が絶賛した筋ジストロフィーの詩人・岩崎航。 今作は、同じ病をもつ兄・岩崎健一による繊細で鮮やかな花の絵70点を掲載した初の画集であり、弟・岩崎航の詩を添えた「兄弟共作 画詩集」です。 「母」「ふたり」「踏みだす」「暮らし」「はたらく」「旗印」「希望」の7章にわたる構成。ふたりの書き下ろしエッセイも収録しました。 装丁:小川あずさ 判型:B6変形判、本文212ページ 発刊:2018年6月 ISBN:978-4-904292-81-5 C0071
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治りませんように : べてるの家のいま
¥800
SOLD OUT
【中古 状態きれい】 (参考:定価2,400円+税) ☆店長のひと言 「売れますように」 紹介 精神障害やアルコール依存などを抱える人びとが、北海道浦河の地に共同住居と作業所"べてるの家"を営んで30年。 べてるの家のベースにあるのは「苦労を取りもどす」こと-保護され代弁される存在としてしか生きることを許されなかった患者としての生を抜けだして、一人ひとりの悩みを、自らの抱える生きづらさを、苦労を語ることばを取りもどしていくこと。 べてるの家を世に知らしめるきっかけとなった『悩む力』から8年、浦河の仲間のなかに身をおき、数かぎりなく重ねられてきた問いかけと答えの中から生まれたドキュメント。 目次 記憶 死神さん べてるの家 浦河弁 なつひさお 救急通い 遭難者 あきらめる 立ち往生 新しい薬 幻聴とダンス 生きる糧 青年の死 ぺてるの葬儀 その人を語る 爆発系 ピア・サポート 撤退 当事者研究 アイメッセージ 収穫の秋 病気への依存 人間アレルギー 治さない 日だまり 苦労の哲学 しあわせにならない 著者プロフィール 斉藤道雄 (サイトウミチオ) (著/文) 1947年生まれ。ジャーナリスト。TBSテレビ報道局の記者、ディレクター、プロデューサー、解説者として報道番組の取材、ドキュメンタリー番組の制作に従事。先端医療、生命倫理、マイノリティ、精神障害、ろう教育などをテーマとしてきた。2008年から5年間、明晴学園の校長、その後4年間、理事長を務めた。著書に『原爆神話の五〇年』(中公新書、1995)『もうひとつの手話』(晶文社、1999)『悩む力――べてるの家の人びと』(みすず書房、2002)『希望のがん治療』(集英社新書、2004)『治りませんように――べてるの家のいま』(みすず書房、2010)『手話を生きる――少数言語が多数派日本語と出会うところで』(みすず書房、2016)『治したくない――ひがし町診療所の日々』(みすず書房、2020)がある。 ISBN:978-4-622-07526-4 四六判 251ページ 発行: みすず書房 初版年月日: 2010年2月17日
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みどりいせき
¥1,600
【中古 状態きれい】 (参考 定価: 1,700円+税) ☆店長のひと言 「読んでてネムネムになるかエミネムになるかどちらかですねこれは。」 紹介 【第47回すばる文学賞受賞作】 【選考委員激賞!】 私の中にある「小説」のイメージや定義を覆してくれた。――金原ひとみさん この青春小説の主役は、語り手でも登場人物でもなく生成されるバイブスそのもの――川上未映子さん (選評より) このままじゃ不登校んなるなぁと思いながら、高2の僕は小学生の時にバッテリーを組んでた一個下の春と再会した。 そしたら一瞬にして、僕は怪しい闇バイトに巻き込まれ始めた……。 でも、見たり聞いたりした世界が全てじゃなくって、その裏には、というか普通の人が合わせるピントの外側にはまったく知らない世界がぼやけて広がってた――。 圧倒的中毒性! 超ド級のデビュー作! ティーンたちの連帯と、不条理な世の中への抵抗を描く第47回すばる文学賞受賞作。 【著者略歴】 大田ステファニー歓人 (おおた・すてふぁにー・かんと) 1995年東京都生まれ。2023年、「みどりいせき」で第47回すばる文学賞受賞。 https://subaru.shueisha.co.jp/bungakusho/history/interview/ ISBN:978-4-08-771861-4 Cコード:0093 四六判216ページ 発行:集英社 書店発売日: 2024年2月5日
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ほの暗い永久から出でて
¥550
【中古 帯に破れあり】 (参考:定価: 650円+税) ☆店長のひと言 「ホラー映画みたいなタイトルですが、中身は逆です。」 紹介 世界的な物語作家と聖路加の気鋭の漢方医が打ち合う、生命を巡る白熱のラリー! 『精霊の守り人』から医学の未来まで、知的好奇心を刺戟する圧倒的な面白さ! なんのために生まれ、なんのために生き、なんのために死ぬのか。 人は、答えが出ないとわかっている問いを、果てしなく問い続けるような脳を与えられて、生まれてきたのでしょうか。--上橋菜穂子 なんのための生なのか、という問いは、いささか弱音のようにも聞こえるのですが、この弱音こそが、優れた物語の書き手である上橋さんの「創作の源泉」であるように私には見えてくるのです。--津田篤太郎 最愛の母の肺がん判明をきっかけに出会った作家と医者。 二人の話は、身体のシステム、性(セックス)、科学・非科学、自然災害、宗教、音楽、絵画、AI、直感……、漫画から古典、最新の論文にいたるまで縦横無尽に広がっていき、物語の創作の源泉もひもとかれていく。かつてないほど刺激的な思考体験ができる究極の一冊。 コロナ禍にみまわれた2020年、文庫化にあたって、新章「未曽有の難局にどう向き合うか」(津田篤太郎)、「地球に宿る」(上橋菜穂子)を追加。 【著者略歴】 上橋菜穂子 1962年東京生まれ。立教大学文学部卒業。文学博士。川村学園女子大学特任教授。89年『精霊の木』で作家デビュー。著書に『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、『狐笛のかなた』『獣の奏者』『鹿の王』など。野間児童文芸賞、路傍の石文学賞、本屋大賞、日本医療小説大賞など数多くの賞に輝き、2014年には児童文学のノーベル賞といわれる国際アンデルセン賞作家賞を受賞する。 津田篤太郎 1976年京都生まれ。京都大学医学部卒業。医学博士。聖路加国際病院リウマチ膠原病センター副医長、日本医科大学付属病院東洋医学科非常勤講師、北里大学東洋医学総合研究所客員研究員。西洋医学と東洋医学の両方を取り入れた診療を実践している。著書に『未来の漢方』(共著)、『病名がつかない「からだの不調」とどうつき合うか』『漢方水先案内』がある。 ISBN:978-4-16-791566-7 Cコード:0195 文庫判224ページ 発行:文藝春秋 書店発売日: 2020年9月2日
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52ヘルツのクジラたち
¥680
【中古 カバーに傷みあり(画像参照)】 (参考:定価: 740円+税) ☆店長のひと言 「かわいそうで終わると、あとは何も聞こえませんよ。」 紹介 2021年本屋大賞第1位。待望の文庫化。 52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一匹だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。そのためこの世で一番孤独だと言われている。 自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる――。 〈解説〉内田剛 著者プロフィール 町田そのこ (マチダソノコ) (著/文) 一九八〇年生まれ。福岡県在住。 「カメルーンの青い魚」で、第15回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。二〇一七年に同作を含む『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』でデビュー。他の著作に「コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―」シリーズ(新潮社)、『うつくしが丘の不幸の家』(東京創元社)などがある。本作で二〇二一年本屋大賞を受賞。 近著に『星を掬う』(中央公論新社)、『宙ごはん』 (小学館)、『あなたはここにいなくとも』(新潮社)。 ISBN:978-4-12-207370-8 Cコード:1193 文庫判312ページ 発行:中央公論新社 書店発売日: 2023年5月25日
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しにたい気持ちが消えるまで
¥1,570
【中古 状態きれい】 (参考:定価1,600円+税) ☆店長のひと言 「死にたいも生きたいも自然なこと。でもそれだけでは終わらない。」 紹介 16歳のとき、死のうと思った。すごく天気の良い日で、こんな日に死ねるなんて幸せだと思った。自宅のベランダから飛び降り、頸髄を損傷するが一命をとりとめる。 「死ななくて良かった」、「何もできなくても生きていていい」 現在を生きる筆者による、自死を止めたい、やさしくなりたい、お守りのような言葉。書き下ろし自伝エッセイ。 著者プロフィール 豆塚エリ (マメツカエリ) (著/文) 1993年、愛媛県生まれ。16歳のとき、飛び降り自殺を図り頸髄を損傷、現在は車椅子で生活する。大分県別府市で、こんぺき出版を拠点に、詩や短歌、短編小説などを発表。NHK Eテレ『ハートネットTV』に出演するなど、幅広く活動中。 ISBN:978-4-7796-4671-3 Cコード:0095 四六判304ページ 発行:三栄 発売日: 2022年9月16日
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暗やみの中で一人枕をぬらす夜は
¥1,450
【中古 表紙隅にシミあり(画像参照)】 (参考:定価1,900円+税) ☆店長のひと言 「隠れた染みは誰かの涙なのだろうか。」 内容紹介 ◎「朝日新聞」2020.7.19 《早世の詩人・ブッシュ孝子、死後半世紀経て全作品集 いま語りかける、魂のうた》 ◎カニエ・ナハさん評(「読売新聞」2020.7.4) 《隔たりを越えて繋ぐ言葉》《詩人の真摯な声が、まるでいまイヤホンで、耳もとで囁かれたように間近に聞こえる》 ◎藤井佳之さん評(「北海道新聞」2020.6.27) 《詩に触れることで誰かを想う…死を超えても生き続ける、本当のことだけを語る言葉から》 ◎鷲田清一さん評(朝日新聞「折々のことば」2020.5.27) 《持つ人と持たない人に裂かれた社会。けれども、失ってはじめてそれがいかに希有(けう)のものだったかを知ることがある》 ◎和合亮一さん評(「毎日新聞」2020.5.28) 《病の進行の不安にさいなまれながらも、こんなふうに創作の泉に出合っている姿がある。…読み耽りながら、心の中にせせらぎが生まれているような気がした》 暗やみの中で一人枕をぬらす夜は 息をひそめて 私をよぶ無数の声に耳をすまそう ……夜の闇にこだまする無言のさけび あれはみんなお前の仲間達 暗やみを一人さまよう者達の声 沈黙に一人耐える者達の声 声も出さずに涙する者達の声 ――本書より 誰でも、年齢を重ねれば危機と呼ぶべき時節に至る。私はそうした日々に彼女の詩に出会った。ブッシュ孝子の言葉と巡り会うことがなければ、今、こうして言葉を紡いでいるかどうかも分からない。書くことすら、どこかで諦めていたかもしれない。私は彼女の言葉に救われたのである。 ――若松英輔 夜の闇にこだまする無言のさけび――。若くして病を患い、闘病中にドイツ人青年と結婚した女性が、命を終えるまでの五か月間にノートにつづった詩のことば。かつて河合隼雄氏、神谷美恵子氏が著作で紹介し、多くの読者が復刊を待望するブッシュ孝子の詩集を、未発表の作品も収録し刊行。若松英輔による解説を付す。 著者プロフィール ブッシュ 孝子 (ブッシュ タカコ) (著/文) 1945年3月20日生まれ。67年、お茶の水女子大学家政学部児童学科を卒業し、大学院修士課程に進学。児童心理学を学び、自閉症児の治療法を習得するためドイツへ留学。留学中にヨハネス・ブッシュと出会い、人生を共にする約束を交わす。70年8月に帰国し、からだに異変を感じて病院へ行く。71年年2月に乳がんと診断されて入院し、手術を受ける。同年9月、来日したヨハネス・ブッシュと結婚。72年7月に二度目の手術を受けるが、翌年11月に病の再発により入院。かねて「童話を書いてみたい」と願っていた孝子は、73年の9月9日から詩をノートに記しはじめる。74年1月27日、永眠。享年、28。同年8月、ブッシュ孝子詩集『白い木馬』(サンリオ出版)が刊行された。 若松 英輔 (ワカマツ エイスケ) (解説) 詩人・批評家・随筆家。1968年生まれ。著書に『悲しみの秘義』(文春文庫)、『詩集 燃える水滴』(亜紀書房)など多数。『小林秀雄 美しい花』で角川財団学芸賞と蓮如賞を受賞。 ISBN:978-4-7877-2007-8 Cコード:0092 四六判168ページ 発行:新泉社 発売日: 2020年4月10日
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こやたちのひとりごと
¥1,760
☆店長のひと言 「(こどもには言えませんが)小屋は何も話さないですよ。話しかけて欲しいのは人間のほう。小屋を愛する全おとなにも読んで欲しいです。」 紹介 山里や海岸にひっそりとたっている小屋たちが、一人一人語り出します。「からっぽじゃないよ」「ぼくをたてたひとは えらくない えらくないから すきなんだ」など、ユーモアのある言葉で、ものを見るのが楽しくなる絵本。 2007年に出版されていた本をもとに、8ページ増やし、写真を選び直して、文の一部を改訂しました。 中里さんは、年を重ねた人々の肖像写真を撮るかのように、日本全国の小屋を撮影してきました。 谷川さんの、小屋たちが語っているかのような文で、読んだ人が世界に引き込まれます。 この本を読んだ後には、街を歩くときにも小さな家が気になり、お気に入りの小屋を見つけたくなりました。 すべてのものに命が宿っている、という感覚を子どもたちに楽しんで欲しいと思っています。 著者プロフィール 谷川俊太郎 (タニカワシュンタロウ) (著/文) 詩人。1931年東京都生まれ。1952年第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行。1962年「月火水木金土日の歌」で第四回日本レコード大賞作詩賞、1975年『マザー・グースのうた』(草思社)で日本翻訳文化賞、1982年『日々の地図』(集英社)で第三十四回読売文学賞、1993年『世間知ラズ』(思潮社)で第一回萩原朔太郎賞など受賞・著書多数。詩作のほか、絵本、エッセイ、翻訳、脚本、作詞など幅広く作品を発表している。 絵本作品に『あな』『わたし』(以上、福音館書店)、『もこもこもこ』(文研出版)、『へいわとせんそう』(ブロンズ新社)、『ぼくとがっこう』(アリス館)など多数。写真絵本に『こっぷ』(福音館書店)、『あさ/朝』『ゆう/夕』『きらきら』(以上アリス館)があり、読者に参加をうながす企画本『すき好きノート』(アリス館)などもある。 中里和人 (ナカザトカツヒト) (著/文) 写真家。1956年三重県多気町生まれ。日本各地の社会的景観や夜景などのランドスケープ作品を数多く発表。2000年からは、国内外で、写真インスタレーション展、写真ワークショップを開催している。 写真集に『湾岸原野』(六興出版)、『小屋たちの肖像』(メディアファクトリー)、『キリコの街』(ワイズ出版)、『路地』(清流出版)、『東京』(木土水)、『R』(冬青社)、『ULTRA』(日本カメラ社)、『Night in Earth』『URASHIMA』(以上、蒼穹社)。共著に『夜旅』(文・中野純 河出書房新社)、『SELF BUILD』(文・石山修武 交通新聞社)などがある。 2003年第十五回写真の会賞、2006年さがみはら写真新人奨励賞授賞。東京造形大学名誉教授。 ISBN:978-4-7520-1067-8 Cコード:8793 29×22cm 40ページ 発行:アリス館 書店発売日: 2023年06月14日
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編年体大正文学全集 第3巻(大正3年)
¥1,500
【中古 状態きれい】 (参考:定価6,600円+税) ☆店長のひと言 「大正3年がどんな年か調べたら、西暦1914年 第一次世界大戦が起きた年でした。」 紹介 一年を一冊に20世紀日本近代文学の空白を埋める新機軸のアンソロジー。 目次 創作-小説・戯曲・児童文学(霊岸島の自殺(木下杢太郎) 鱧の皮(上司小剣) 底の社会へ(小川未明) お末の死(有島武郎) ほか) 評論-評論・随筆・記録(三太郎の日記(阿部次郎) 女優の屈辱と誇(松井須磨子) 生の創造(大杉栄) 浮世絵の鑑賞(永井荷風) ほか) 詩歌-詩・短歌・俳句(道程 淫心 秋の祈(高村光太郎) 青空に 犬に 光明頌栄 壷 蔓 曼荼羅 哀楽園 鑿心抄 気稟(山村暮鳥) 湾光 鰻 掌 消防整列 白金の独楽(北原白秋) 降灰の夜 虫の穴『我れ』と『命』と バーにて(加藤介春) ほか) ISBN:978-4-89714-892-2 A5判655ページ 発行:ゆまに書房 初版年月日: 2000年9月
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蜜蜂
¥1,000
【バーゲンブック※】 ☆店長のひと言 「蜂蜜は喜んで食べるけれど蜜蜂が来たらた殺す人、周りにいません?」 内容紹介 33か国以上で刊行の話題作 ドイツの2017年総合No.1ベストセラー 2098年の世界では、環境破壊が進んで蜜蜂が絶滅。受粉ができずに農作物の生産が激減し、人類は滅亡寸前だった。管理社会化した中国で人工授粉をして細々と暮らすタオは、ある日、幼い息子とピクニックに行くが、息子が突然気絶してしまう──。その謎の病には、実は過去に地球で起きた出来事が深く関わっていた──。 1852年のイギリス、2007年のアメリカ、2098年の中国を舞台に、 蜜蜂に関わる三つの家族の物語が繰り広げられる。 それらはどうつながっていて、どんな運命を導いていくのか? ――これはただの世紀末ディストピア小説ではない。 壮大で深い感動に包まれる作品だ。科学とSF、ディストピアと希望、個人の苦難と家族の強さなどが、美しく織り込まれている。――リサ・シー(米国の作家) 「蜜蜂の歴史」は「人間の歴史」だ。――ヤンネケン・エーヴァーランド(ノルウェーの批評家) 著者プロフィール マヤ・ルンデ 著 ノルウェーの作家、テレビ台本作家。1975年生まれ。これまで10作の児童書・YA作品を発表。初の大人向け小説となる本書が話題となり、2015年にノルウェーの書店員が選ぶ賞を受賞した。世界33か国以上で翻訳され、ドイツでは2017年の年間No.1ベストセラーに輝き、40万部以上を売り上げる(現在継続中)。2017年には2作目の大人向け小説『ブルー』を刊行。夫と3人の子供とオスロに在住。 池田 真紀子 訳 翻訳家。1966年生まれ。上智大学法学部卒業。訳書に、ジェフリー・ディーヴァー『ボーン・コレクター』『スティール・キス』(以上、文藝春秋)、アーネスト・クライン『ゲームウォーズ』(SBクリエイティブ)、ケイトリン・ドーティ『煙が目にしみる』(国書刊行会)、アーヴィン・ウェルシュ『T2 トレインスポッティング』(早川書房)、パトリシア・コーンウェル『標的』(講談社)、メアリー・ローチ『わたしを宇宙に連れてって』(NHK出版)などがある。 (NHK出版ホームページより引用) ISBN:978-4-14-005696-7 四六判 485ページ 発行:NHK出版 初版年月日: 2018年6月 ※バーゲンブック(自由価格本)とは、出版社の意思で定価販売ではなく、割引販売できる未使用の本・雑誌のことです。通常本と区別するため裏表紙にシールが貼ってあります。
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かがみの孤城
¥900
【中古 状態きれい】 (参考:定価1,800円+税) ☆店長のひと言 「感動ではイジメはなくならない。でも優しい人は増えるかもしれない。」 紹介 あなたを、助けたい。 学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた―― なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。 著者プロフィール 辻村 深月 (ツジムラ ミヅキ) (著/文) 1980年2月29日生まれ。山梨県出身。千葉大学教育学部卒業。2004年に『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。他の著作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『島はぼくらと』『家族シアター』(以上、講談社)、『クローバーナイト』(光文社)、『青空と逃げる』(中央公論新社)など。最新刊は『小説 映画ドラえもん のび太の月面探査記』(小学館)、『傲慢と善良』(朝日新聞出版)。『ツナグ』(新潮社)で第32回吉川英治文学新人賞、『鍵のない夢を見る』(文藝春秋)で第147回直木三十五賞を受賞、『かがみの孤城』(ポプラ社)で第15回本屋大賞第1位となる。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。 ISBN:978-4-591-15332-1 Cコード:0093 四六判558ページ 発行:ポプラ社 発売日: 2017年5月9日
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頭のうえを何かが Ones Passed Over Head
¥2,530
☆店長のひと言 「病床から描かれたものはリハビリというか成長の過程のようでした。」 紹介 「ストローク(脳梗塞)は僕にとって恩寵でした。そして深い教えでした。」 『抽象の力』(第69回芸術選奨文部科学大臣賞)の岡﨑乾二郎さんは、2021年10月に脳梗塞で倒れました。 倒れてから1ヵ月後に麻痺した右手で描いた40作以上の絵と「リハビリ記」(2万7千字)が収録されています。 本書は、カラー部分だけでも約100頁ある画集であり、病をも創造の糧とする示唆に溢れた手記でもあります。 前書きなど 【本書より】 2021年10月30日土曜日の23時でした。知り合いにPCでメッセージを送りはじめたときに指がもつれはじめ、腕から力が抜け、右手も右足も瞬く間に動かなくなりました。椅子からずり落ちるように、なんとか床に横たわりました。脳梗塞だと思いました。(リハビリ記 冒頭) 絵を再び描くなんてことはありえないと思い込んでいた一人の脳梗塞片麻痺患者にとって、目の前で出来上がっていく絵は、自分で描いたものであるにもかかわらず、人ごとのように驚きをもって見えたものである。だからスマホで家族やスタッフにそれを送った。ネコが自分が獲ったエモノ、見つけた事物を家人の手元に持っていって自慢するようなものである。(あとがきより抜粋) 著者プロフィール 岡﨑乾二郎 (オカザキケンジロウ) (著/文) https://kenjirookazaki.com/jpn/ 1955年東京生まれ。造形作家。批評家。セゾン現代美術館、豊田市美術館で大規模な個展を開催するとともに、美術批評を中心として執筆を続ける。主著に『ルネサンス 経験の条件』(文春学藝ライブラリー)、『抽象の力 近代芸術の解析』(亜紀書房/第69回芸術選奨文部科学大臣賞)、『感覚のエデン』(亜紀書房/第76回毎日出版文化賞〈文学・芸術部門〉)、『絵画の素 TOPICA PICTUS』(岩波書店)など。 ISBN:978-4-86732-023-5 Cコード:0071 A5横判144ページ 発行:ナナロク社 発売日: 2023年12月14日